「令和6年能登半島地震」により亡くなられた皆様へ、謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様にも、心からお見舞いを申し上げます。一日も早い被災地の復興を心から願っております。
地震が怖いと感じる方の中でも、阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験した人は特にその気持ちが強いかもしれません。このようなことを「地震恐怖症」といいます。
地震恐怖症の人は、地震のニュースや映像を見ると不安や恐怖を感じ、地震が起きるかもしれないという不安から、日常生活に支障をきたすことも。
地震恐怖症を克服するためには、まず地震について正しく理解することが大切です。急な地震に襲われても、落ち着いて対処するためにも、「地震恐怖症」についてみてみましょう。
地震恐怖症の特徴とは
地震で不安を感じ、日常生活に支障をきたすものには、どんな特徴があるのでしょうか?
地震不安症とは、地震に対する強い不安や恐怖から心身に症状を示す精神疾患です。過去の地震体験がトラウマとなったり、地震の危険性への不安が根底にあることで発症します。
具体的な症状としては、身体症状では動悸や呼吸困難、めまい、震えなどが現れます。心の症状では地震が怖くなり一人でいることが不安になったり、地震のことが頭から離れなくなることがあります。
地震がなくても揺れを感じてしまう人もいます。こうした症状が日常生活に影響を及ぼし、生活の質が低下することがこの病気の大きな特徴です。
治療法としては、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法と、不安や恐怖の思考パターンを修正する認知行動療法があります。完治は難しいものの、症状の改善は期待できます。
地震が怖いと感じたときに落ち着く方法5選!
地震を怖いと感じすぎる場合、恐怖や不安解消のため落ち着く方法を知っていることは大切です。
覚えてきたい、地震が怖いと思った時の方法を、地震が発生してからの時系列順に例を見てみましょう。
まずはゆっくりと深呼吸を
地震が起きた時に一番大事なことは、「自分をしっかり保つこと」です。被害に遭遇した時もそうですし、ニュースを知って不安に感じた時も同様です。
そんな時にまず行っていただきたいのは、深呼吸して一度落ちちつく事です。
もちろん、急に大きな震度の地震に遭遇した場合は、真っ先に身の安全を確保を。一段落してから深呼吸を行うと冷静な判断がしやすくなります。
やり方の一例として、4秒かけて息をいっぱいに吸い込み、8秒かけてゆっくり、そしてしっかりと息を吐きます。吸うことよりも、深く吐くことを意識すると効果的です。
自己暗示や10を数える「不安解消の呪文」
深呼吸のほかにも、自分に「大丈夫、大丈夫」「問題ない、問題ない」「楽勝、楽勝」と、ポジティブな言葉を無理にでも口にして、自己暗示をかけるのも効果的です。
その際、先に記したように同じ言葉を2回続け、それを繰り返すのが効果的です。
別のやり方としては、ゆっくり10を数えるのもおすすめです。それでも不安で足りなければ、落ち着くまで11以降も飽きるまで数えてみましょう。その頃には不安は紛れているはずです。
地震に対する不安を書いてみる。身近な人に話してみる。
地震が起きたあと、飛び出した魂が自分の中に収まって、少しは落ち着いた状態になったら、不安や心配事を書き出して客観的に眺めてみると、意外と冷静に判断できるようになります。
また、身近な人や相談できる人に自分が不安思っていることを話してみると、それだけでもある程度不安は解消されることがあります。
自分の心や頭の中でへいっさ的に考えるよりも不安解消できたり、問題の解決策やアイデアも生まれてくることでしょう。
地震対策をする
地震に対する不安に感じたことを書き出したり、地震の不安や身近な人と話したりすると、地震に備えてやるべきことが色々と見えてくるはずです。
まずは、地震に対して正しい知識や情報を知ることです。どのような地震対策を行うにせよ、誤った情報に基づいてしまうと逆効果になってしまいます。
気を付けポイントとしては
情報源が公共的なものか?
情報元が噂や憶測でなく、しっかりしているか?
情報の更新日時が最新のものか?
事実に即しているか?
情報が常識と合っているか?
複数の情報源はあるか?
などがあります。
その後、地震に対する心構えや室内外の対策、防災グッズの用意、避難する場合のルートの確認などを行って「備えあれば患いなし」の状態に持っていけば、自分だけでなく、周りの助けにもなるでしょう。
特にお子様やお年寄りの方が身近にいらっしゃる方はぜひ地震対策を行ってください。
専門家に相談する
様々な方法を試してみたものの、どうしても不安が解消されない場合は、専門家に相談してみた方が良いでしょう。状態によっては「認知行動療法」や「薬物療法」で症状を改善するしたほうが良いでしょう。
油断しまくるのもどうかと思いますが、心配しすぎるのも同じで「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
以上のことは、地震のことだけでなく日常生活にも役に立つはずなので、まずは「書き出す」事から初めて見てはいかがでしょうか?
地震恐怖症を克服する!
地震は日本において、これまでも何度か大きな震災に見舞われてきました。正月にも「令和6年能登半島地震」が起きましたが、近年の主なもでも
阪神・淡路大震災
新潟県中越地震
東日本大震災
熊本地震
北海道胆振東部地震
が起こっており、いつ大きな地震が起こっても、おかしくありません。
そのため、「地震が怖い」という方は少なくないと思います。でも、恐怖があまりにも強すぎると日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
これまで地震恐怖症について、まずは落ち着く方法を記してきましたが、さらに地震恐怖症を克服するための方法・手順をご紹介します。
恐怖の原因を理解する
地震恐怖症は過去に地震で被災した経験によるものと、地震の被害を想像して不安になるものと、大きく分けて原因は2つに分かれます。
まず最初に、恐怖の原因を理解することが大切です。それには前項で述べた「地震に対する不安を書いてみる。身近な人に話してみる」は有効です。
原因を理解することで、恐怖を克服するための具体的な対策を立てやすくなるでしょう。
地震に関する知識た情報をインプットする
地震に関する知識を身につけることで、地震に対する不安を軽減することができます。
地震学会や内閣府の防災情サイト、気象庁などのサイトや、被災された方の体験談など、地震に関する知識を身につけることで、地震に対する不安が「分からないから怖い」から「分かっているので対処できる」となって安心感につながるでしょう
地震体験をしてみる
地震に関する知識のインプットだけではなく、できれば「地震の疑似体験」をインプットするも良いでしょう。
地域の防災センターや消防署、イベントなどで地震体験施設や、地震シミュレーションソフトなどを利用して、地震の揺れを体験してみるのも効果的です。
実際に地震の揺れを体験すると、恐怖心が軽減されるうえ、いざ大きな地震に遭遇した際に、落ち着いて避難行動をとることができます。
カウンセリングを受ける
地震恐怖症が重度の場合、カウンセリングを受けるとよいでしょう。カウンセリングでは、専門のスタッフがあなたの不安の原因を探り、対処法をアドバイスしてくれます。
カウンセリングは、一人で地震恐怖症に悩んでいる人にとって、大きな助けとなるはずです。
不安と対策を共有する。
地震恐怖症の人は、同じような悩みを抱えている人が意外と多いものです。仲間と支え合うことで、自己肯定感を高め、それが地震恐怖症の克服につながることもあります。
身近な人たちで不安や対策を共有したり、オンラインのコミュニティなどに参加してみるとよいでしょう。
今回ご紹介した方法を参考にし、自分やお住まいの地域に合わせた方法で、地震恐怖症を克服しましょう。
まとめ
地震恐怖症とは、地震に対する強い不安や恐怖から、心身に症状が出る精神疾患です
地震は日本に住む私たちにとって、いつ起こってもおかしくない自然災害ですが、恐怖心を抱きすぎて日常生活に支障をきたすようなことは避けたいところです。
地震恐怖症の原因は、過去の被災経験によるものなのか、被害を想像して不安になるものなのか、原因を理解することが第一です。
次に地震に関する知識や情報をインプットし、地震をよく知ることで不安が軽減されます。また、地震体験施設などで地震の揺れを体験するのも効果的です。
今回ご紹介した方法を参考に、少しでも地震恐怖症の克服や、軽減につながれば幸いです。
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