日本の春の訪れを知らせる「春のセンバツ」こと選抜高校野球2024の出場校発表が迫ってきました!
1923年に起こった関東大震災の影響がまだ色濃く残っている中、翌1924年に第1回大会が開催され、今大会で100周年を迎えます。
今回はそんな選抜高校野球2024の21世紀枠の予想、その候補に上がりそうな高校や選考基準、歴代の出場校の紹介とその成績などを紹介します。
選抜高校野球2024「21世紀枠」の選考基準や出場校の組み合わせは?
はじめに、選抜高校野球2024「21世紀枠」の選考基準や出場校の組み合わせをご紹介!
毎年春に行われる選抜高校野球(選抜高等学校野球大会)は、各都道府県の地方大会を勝ち上がった高校が集う夏の大会とは違い、九州や関東の地区ごとに高校を推薦された中から高野連(日本高等学校野球連盟)が最終的に選考します。
出場枠としては地区ごとに選ばれる「一般枠選考枠」以外にも、各地域の秋季大会の優勝チームで争われる明治神宮大会の優勝校が主に選ばれる「神宮大会枠」が1枠あります。
そして「センバツ」には独自の基準で選出される「21世紀枠」があるので、まずは「センバツ」について見てみましょう!
「センバツ」といえば21世紀枠
「センバツ」といえば21世紀枠が有名で、選抜高校野球2024でも注目されることでしょう。
21世紀枠は、2003年の第75回大会から設けられた出場枠です。選出基準について、高野連と共同で大会を主催する毎日新聞によると、
「勝敗にこだわらず多角的に出場校を選ぶセンバツ大会の特性を生かし、技能だけではなく高校野球の模範的な姿を実践している学校を以下の基準に沿って選ぶ。」
とした上で、
・少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服
・学業と部活動の両立
・近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
・創意工夫した練習で成果を上げている
・校内、地域での活動が他の生徒や他校、地域に好影響を与えている
https://mainichi.jp/articles/20170127/k00/00e/050/304000c
という基準で21世紀枠の出場校を決定します。
前回の大会までは3校選ばれてましたが、今回は2校となり1つ出場枠が減りました。
各地域から選ばれる「一般選考枠」や「神宮大会枠」の出場校予想は、こちらの記事にございます。
選抜高校野球2024の出場校を決める選考や、組み合わせ抽選会はいつ?
選抜高校野球2024の出場校を決める選考委員会は、年明けの2024年1月26(金)に開かれます。
選手や関係者は気が気でないでしょうが、出場の暁には良いパフォーマンスを出せるよう、この年末年始も練習に取り組むことでしょう。
また、選抜高校野球2024の組み合わせ抽選会は2024年3月8日(金)午前9時から毎日新聞大阪本社オーバルホールで行われ、1回戦で同じ地区の組み合わせを避けるため、あらかじめ主催者側が配慮することもあります。
選抜高校野球2024の21世紀枠各地区の推薦校(最終候補)と理由
選抜高校野球2024の21世紀枠各地区の推薦校が12月8日に発表されました。各地区で推薦されたのは、どんな高校でしょうか?
リサーチしてみたのでさっそく見てみましょう!
北海道 別海高校
北海道からは別海高校が選ばれました!
別海町は北海道東部にある酪農と漁業が盛んな約15,000人の町で、生乳生産量は日本一を誇ります。
別海高校は周辺地域の住民が学校運営に参画する「コミュニティ・スクール方式」を導入しているのが特徴です。
別海高校野球部は、選手16名という少人数ながら、北海道大会準決勝まで進出。準決勝では優勝した北海高校と対戦し、8回までは互角でしたが、最後は突き放され、惜しくも敗れえてしまいました。しかし、北海道を代表する実力は、あると思います。
過去に甲子園に出場したことはなく、今回21世紀枠に選出されれば初出場となります。
東北 仙台第一高校(宮城県)
東北からは宮城県の仙台一校が選ばれました!
仙台一校は1892年(明治25年)創立の長い伝統を誇る学校です。当初は男子校でしたが、2010年から男女共学になりました。
県内有数の進学校としても有名です。「ふるさとの杜再生プロジェクト」として、2019年から地域と協力して海岸防災林の育樹活動を行っています。
仙台一高野球部は、東北大会に217年ぶりに出場しましたが、1回戦で大会準優勝の八戸学院光星高校に敗れてしまいました。
今回の推薦理由としては、その時の健闘ぶりと学校での取り組みが評価されたのが大きいでしょう。
関東 水戸第一高校(茨城県)
関東からは茨城県の水戸一高が選ばれました!
先の仙台一高と同様、水戸一高も1878年(明治11年)創設の長い伝統を誇り、県内有数の進学校です。
生徒が3つのルートを選んで70キロを歩く「歩く会」が有名で、恩田陸さんの小説「夜のピクニック」のモデルにもなっています。
水戸一高野球部は、学業との両立のため練習時間が限られており、さらに他の運動部とグラウンドを分けている練習環境にも関わらず、茨城県の秋季大会で54年ぶりのベスト4進出を果たしました。
東海 帝京大学可児高校(岐阜県)
東海からは岐阜県の帝京大可児が選ばれました!
帝京大可児は、今回推薦された唯一の私立校です。1988年(昭和63年)に開校した中高一貫校で、生徒個人にあったコースがあり、意欲次第でどこまでも才能を活かせるサポートが得られます。
帝京大可児野球部は、岐阜県の秋季大会4回戦で、夏の甲子園に出場した大垣日大に3-4で惜敗しました。夏の大会でも同じく大垣日大と延長の接戦を演じ地力があることを証明。
また、競技面だけではなく、近隣の小学校で野球教室を開いたり、ボランティア活動も行い地域貢献に励んでいることも推薦されました。
北信越 富山北部高校(富山県)
北信越からは富山北部高校が選ばれました!
富山市立の富山北部高校は1916年(大正5年)岩瀬商業学校が創設され、1927年(昭和2年)創設の富山市立化学工業学校と1948年(昭和23年)に合併されて現在の富山北高校となりした。
富山県といえば「富山の薬売り」の伝統もあり、とても製薬会社が多い地域ですが、富山北高校はそんな地域らしい「くすり・バイオ科」という学科も。
富山北工野球部は富山県大会で準優勝。北信越大会の1回戦で東京都市大塩尻と対戦、9回裏に4点差を追いつく粘りを見せましたが、延長で力尽き残念ながら敗退。
しかし、その粘り強い戦いぶりが評価されて今回選ばれました。
近畿 田辺高校(和歌山県)
近畿からは和歌山県の田辺高校が選ばれました!
田辺高校は、1896年(明治29年)に創立された田辺中学校(旧制)をはじめとする4つの学校が統合されて現在の田辺高校となりました。
ユネスコの理念に基づき、平和と国際理解の教育を実践する学校の国際ネットワークであるユネスコスクールに加盟しており、OBには元総理大臣の片山哲や合気道の創始者、植芝盛平がいます。
田辺高校野球部は、近畿の秋季大会1回戦では京都国際に10回タイブレークの末、惜しくも敗れてしまいましたが、県大会で強豪の智辯和歌山と市立和歌山に勝利したことが評価された形です。
中国 岡山城東高校(岡山県)
中国からは岡山城東が選ばれました!
岡山城東は、文部科学省からスーパーグローバルハイスクールの指定を初年度より受けるなど、世界で活躍できる人材を育成するために独自の教育を積極的に行っています。
岡山城東野球部は、県大会で準優勝した後、中国地方の秋季大会1回戦で宇部鴻城に敗れましたが、安定した成績や、清掃活動などの活動も評価されて推薦されました。
四国 大洲高校(愛媛県)
四国からは愛媛県の大洲高校が選ばれました!
大洲高校は1878年(明治11年)創設の「知行一致」をモットーとした歴史のある学校で、OBには青色発光ダイオード開発者で、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんがいます。
大洲高校野球部は、県大会で敗退しましたが、2時間しか使えないグラウンド、工夫して効率的に練習を行う姿勢、大洲市は2018年に西日本豪雨で被災、その経験から現在もつづけている地域のボランティア活動も評価された形です。
九州 鶴丸高校(鹿児島県)
九州からは鹿児島県の鶴丸高校が選ばれました!
今大会は歴史のある高校が多数選出されておりますが、鶴丸高校も1894年(明治27年)創設で鹿児島県で最も古い歴史を誇ります。県内随一の進学校であり、政財界の大物を多数輩出しています。
平日1時間しか取れない短い練習時間を、選手自身で工夫をこらして成績を向上させ、県大会ベスト4の実績が評価されました。
選抜高校野球2024!21世紀枠予想!
選抜高校野球2024の21世紀枠予想ですが、北海道の別海高校と和歌山県の田辺高校と予想しました!
成績のみで選ばないとはいえ、やはり競技スポーツですから、ある程度成績を残した高校を選ぶこともあります。そうなると、春季大会の地区大会に出場した高校は有利です。
また、明治神宮大会で優勝した、星稜高校と同じ北信越地区の富山北部高校は若干不利に働き、ハンデの克服や地域貢献活動などの、様々な競技面以外の選考理由も考えると、別海高校と田辺高校の2校が有力ではないでしょうか。
センバツ高校野球21世紀枠の歴代出場校の成績
通常の出場校とは違い、独自の選出基準で出場する21世紀枠選出の高校ですが、これまでの成績はどうだったのでしょうか?
選抜高校野球で21世紀枠で出場した、歴代の出場校や成績を見てみましょう。
選抜高校野球の21世紀枠歴代出場校
これまで選抜高校野球の21世紀枠で歴代出場した高校は以下の通りです。
年 | 出場校 | 結果 |
2001年 | 安積(福島) | 初戦敗退 |
宜野座(沖縄) | ベスト4 | |
2002年 | 鵡川(北海道) | 2回戦敗退 |
松江北(島根) | 初戦敗退 | |
2003年 | 柏崎(新潟) | 初戦敗退 |
隠岐(島根) | 初戦敗退 | |
2004年 | 一関一(岩手) | 初戦敗退 |
八幡浜(愛媛) | 初戦敗退 | |
2005年 | 一迫商(宮城) | 2回戦敗退 |
高松(香川) | 初戦敗退 | |
2006年 | 真岡工(栃木) | 初戦敗退 |
金沢桜丘(石川) | 初戦敗退 | |
2007年 | 都留(山梨) | 初戦敗退 |
都城泉ヶ丘(宮崎) | 2回戦敗退 | |
2008年 | 安房(千葉) | 2回戦敗退 |
成章(愛知) | 2回戦敗退 | |
華陵(山口) | 3回戦敗退 | |
2009年 | 利府(宮城) | ベスト4 |
彦根東(滋賀) | 初戦敗退 | |
大分上野丘(大分) | 初戦敗退 | |
2010年 | 山形中央(山形) | 初戦敗退 |
向陽(和歌山) | 2回戦敗退 | |
川島(徳島) | 初戦敗退 | |
2011年 | 大館鳳鳴(秋田) | 初戦敗退 |
佐渡(新潟) | 初戦敗退 | |
城南(徳島) | 2回戦敗退 | |
2012年 | 女満別(北海道) | 初戦敗退 |
石巻工(宮城) | 初戦敗退 | |
洲本(兵庫) | 初戦敗退 | |
2013年 | 遠軽(北海道) | 2回戦敗退 |
いわき海星(福島) | 初戦敗退 | |
益田翔陽(島根) | 初戦敗退 | |
土佐(高知) | 初戦敗退 |
2014年 | 小山台(東京) | 初戦敗退 |
海南(和歌山) | 初戦敗退 | |
大島(鹿児島) | 初戦敗退 | |
2015年 | 豊橋工(愛知) | 初戦敗退 |
桐蔭(和歌山) | 初戦敗退 | |
松山東(愛媛) | 2回戦敗退 | |
2016年 | 釜石(岩手) | 2回戦敗退 |
長田(兵庫) | 初戦敗退 | |
小豆島(香川) | 初戦敗退 | |
2017年 | 不来方(岩手) | 初戦敗退 |
多治見(岐阜) | 初戦敗退 | |
中村(高知) | 初戦敗退 | |
2018年 | 由利工(秋田) | 初戦敗退 |
膳所(滋賀) | 初戦敗退 | |
伊万里(佐賀) | 初戦敗退 | |
2019年 | 石岡一(茨城) | 初戦敗退 |
富岡西(徳島) | 初戦敗退 | |
熊本西(熊本) | 初戦敗退 | |
※2020年 | 帯広農(北海道) | 勝利 |
磐城(福島) | 敗戦 | |
平田(島根) | 敗戦 | |
2021年 | 八戸西(青森) | 初戦敗退 |
三島南(静岡) | 初戦敗退 | |
東播磨(兵庫) | 初戦敗退 | |
具志川商(沖縄) | 2回戦敗退 | |
2022年 | 只見(福島) | 初戦敗退 |
丹生(福井) | 初戦敗退 | |
大分舞鶴(大分) | 初戦敗退 | |
2023年 | 石橋(栃木) | 初戦敗退 |
氷見(富山) | 初戦敗退 | |
城東(徳島) | 初戦敗退 |
21世紀枠で出場した回数で一番多い地域は?
21世紀枠で出場した回数で一番多い地域は4回出場の北海道、福島県、島根県、徳島県です。次いで3回出場の岩手県、宮城県、和歌山県、兵庫県です。
三重県は(他に地域を構成する都道府県がなく必ず候補に選出される北海道を除けば)最多の9回も候補に選出されていますが、1度も21世紀枠での本大会の2出場がありません。
21世紀枠出場校の通算成績
21世紀枠は23年の歴史があり、出場校は計42校となっています。
通算成績は82戦18勝64敗で、勝率は2割8分2厘5毛です。
これまでの最高成績は、21世紀枠が初めて採用された2001年 第73回の沖縄の宜野座高校、2009年 第81回大会の宮城県の利府高校が準決勝まで進出しています。
数字だけで見ると今一つかもしれませんが、これは他の出場枠で選ばれた高校の選手たちが実力を示し、意地を見せたと、捉えるべきではないでしょうか。
21世紀枠で最後に勝った高校は?
21世紀最後に枠で初戦に勝ったのは2021年第93回大会、沖縄県の具志川商業高校です。ただし、こちらは1回戦も同じ21式枠の八戸西高校でした。
他の選出枠で出場した高校と対戦し、最後に勝ったのは、2015年第87回大会、愛媛県の松山東高校までさかのぼります。その時は残念ながら2回戦で東海大学第四高校に3-2で惜しくも敗れてしまいました。
まとめ
2024年に100周年を迎える選抜高校野球。「センバツ」の特徴である「21世紀枠」は、「困難な環境を克服」「文武両道」「競技以外の活動で他校や地域に好影響を与えている」などの基準で選ばれます。
選抜高校野球2024の21世紀枠候補校は、各地域から推薦された9校の中から、2024年1月26日に行われる選考委員会で選ばれた2校が、あこがれの甲子園に。
今大会の21世紀枠は、北海道の別海高校と、近畿・和歌山県の田辺高校の出場を予想します。
近年の21世紀枠の成績は芳しくなく、今年も苦戦が予想されています。しかし、今回推薦された各校は甲子園で勝利を狙える実力を持っています。多くの人たちの予想をくつがえせるかどうか、21世紀枠の出場校に注目しましょう!
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